10月以降なかなかblogを更新できずにいます。
でもその間に、書きたい事はどんどんどんどん増えていくわけなのですが...。笑
この冬は、またこつこつ書いていきたいなと。
 
 
今回は、タイトルにも書いた通り、コルバン祭りというイスラムの犠牲祭について、ご紹介します。
 
 
ウルギーのカザフ人達は、主にイスラム教を信仰しています。それほど厳格なイスラム教徒ではないとも言われますが、とはいえやはり彼等の生活の至るところでイスラム教との関わりを見る事ができます。
 
 
「コルバン」とは、アラブ語起源の言葉で「犠牲」を意味します。ヒジュラ暦にのっとって日にちが決定されているため、毎年開催日が変わります。今年は10月26日〜28日の3日間でした。(来年は、これより10日ほど早くなる予定。)この行事は、人々の幸福な生活を願い、アッラーに祈りを捧げるものです。人々はこの期間に、アッラーに捧げるための羊などの家畜を、必ず屠らなければなりません。コルバン祭は、イスラムの行事なので、ここウルギーに限らず、他の地域のイスラム教徒達の間でも必ず行われます。
 
↑コルバン祭前の町のようす。町のあちこちで、羊やヤギが縛られている。
 
 
私が泊まっているクグルシン家でも、コルバン祭初日の朝は大忙し。まずは、屠殺する家畜を購入するところからはじまりました。このとき、羊1頭190,000tg(現在のレートで日本円に換算すると約11,000円)、子羊1頭80,000〜90,000tg(約5,000円)くらいでした。 お母さん、出来るだけ安く羊を飼おうと必死にあちこちの羊売りに値段を聞きましたが、結局どこも対して変わらないという事で、190,000tgで購入。羊を縛って車のうしろにぽいっと放り込み、連行。
 
 
↑観念したのか?かなり大人しい羊。
 
 
羊を連れてくると、早速屠殺開始。でも、その前に、アッラーに必ずお祈りを捧げます。
 
 
↑これから屠殺を開始。声を出させないようにするためか?羊の首を手で押さえて、このあと一気に首の頸動脈をかっ切る。
 
 
屠殺の詳しい方法は、また別の機会に紹介するとして、屠殺後早速羊の頭や内蔵、羊肉を煮込みます。この日の夜は、親戚達を呼んで茶会が開かれました。みんなで屠った羊をわけあうのです。わけあうときは、はじめに必ず頭の肉をみんなで分け合います。
 
 
↑茶会の様子。羊のもりもりもりあわせが、一皿二皿と出される。
 
 
この犠牲祭の間に、必ず1頭家畜を屠らなければならないと書きましたが、経済的な事情や他なんらかの理由があって、どうしてもこの期間中に屠ることができないという家庭も、当然あるわけで、茶会ではそういう状態にある人々を呼んで、皆でわけあうことになっています。
 
 
また、経済的にこの犠牲祭のために家畜を屠ることが困難な状況にある人々に対しては、トルコのイスラム教の団体らが援助して、家畜を与えているようです。詳しい事は確認できませんでしたが、どうやら数百頭の単位でトルコの団体が家畜を買い占め、それを貧しい家庭に分け与えるらしいです。(ここ、ウルギーは教育機関なども、トルコと密接な関係を持っていると、この時聞きました。)
 
 
ちなみに、この犠牲祭の間に屠った家畜の皮や毛などは、個人的に衣服を作ったりして使用することは許されていますが、その皮や毛を売って、売ったお金を使うことは禁止されているそうです。
 
 
犠牲祭2日目、最終日には、他の親戚の家で茶会が開かれ招待されるなど、沢山沢山お肉を頂きました。ものすごく美味しかった......。んまんま。
 
 
このコルバン祭以降、季節はいよいよ冬に近づき、本格的な家畜の屠殺シーズンがはじまりました。
次回からすこしずつ、家畜の屠殺や肉/内蔵の料理方法などを含めて、カザフの食文化について書いていきたいと思ってます。つづく!