またまた10月、サグサイでの出来事のこと。
 
 
前回のblog記事で、草原の四季の変化を感じるものについていろいろと書きましたが、もうひとつ、今回「ああ、冬が来るなぁ」と感じさせられたものがあります。それは、「家(ウイ)」です。
 
 
↑解体作業中のウイ。朝起きて外出たら隣の家がこんな状態に!
 
↑ゴチ(大型トラック)に乗せて出発!
 
 
この上の写真の車を覚えていらっしゃいますか?これ、夏にも一度blogで書いたものなのですが、ゴチと呼ばれる巨大なトラックです。主に牧民さんのお引っ越しのときに使用されるものですが、これが見られるということは.....そうです、冬営地へのお引っ越しが始まっていたのです。
 
 
↑フェルトを取り骨組み状態になったウイ
 
 
↑引っ越し作業中。みんなで荷物をまとめる。
 
 
↑引っ越し作業中の子ども達(4-5歳)まだまだ労働力になりきらず?
 
↑引っ越し作業中の子ども達(8-9歳)しっかり物運んで活躍中!
 
 
私がサグサイ入りしたのが10/14でしたが、次の日の15日には近くに住む3件のお引っ越しのお手伝いをしました。みんな一気に引っ越しです。
 
 
↑マナ家は引っ越しはしないけど、お手伝い。一件済んだら、また次の一件へ。
 
 
引っ越し先は、様々です。たいていの牧民さん達は、秋営地よりも暖かいところに冬営地を構えます。マナ家の近くの牧民さんは、「このサグサイの秋営地(プテオ)は寒いんだよ。冬は。風がすごくてねぇ。もっと山の方(ブケンタオ)が暖かいから、そっちに行くんだ。その方が、家畜にとってもいいでしょう?」と話してくれました。年配の方々は、自分たちの家畜を息子夫婦や親戚に預けて村の中心部や県の中心部に移動したりします。あるいは、引っ越しをせず、移動式住居(キーギズウイ)のみをたたんで、冬用の木造住居へ移る人達もいます。
 
 
↑こういう冬用の住居に住む人が多い。
 
 
 
モンゴルの人々が使用しているゲルと呼ばれる移動式住居は、冬でも暖かく冬期も使用されますが、カザフの人々が使用しているウイと呼ばれる移動式住居は、冬は使用されません。なぜなら、ウイとゲルは見た目は非常に良く似ていますが、ウイはゲルよりも背が高く、ウイは中がなかなか暖まりにくい構造になっているからです。カザフの人々は、スタックウイ(暖かい家)と呼ばれる木造平屋住宅を建てて冬はそこで過ごします。
 
 
それにしても.....
 
 
キーギズウイが見られなくなるのは、なんだか寂しいものです。ああ、冬がやってくるんだなぁと感じます。マナ家がある場所は、冬は特に寒くなるらしく、10月中に多くの家庭がお引っ越ししちゃいました。冬へのお引っ越し、ですね。