カザフ語で、"Tesic Tas" と呼ばれる石をご存知でしょうか?
 
「カザフは、穴の開いている石(人工的に開けた石ではない)を
とても大切にするんだ!」
 
 
と、サグサイ村の若夫婦(Erjan兄さん&Bagsha姉さん)のところに遊びにいったとき、Erjan兄さんが教えてくれました。
 
 
ん?そういえば、この家のあちこちに、石が....。
 
 
小さな子どもの場合、肩に縫いつけるそうです。
 
 
こうして、悪いものから身を守り、幸運がくるようにとお願いするのだそうです。
 
 
さて、ここバヤンウルギーでは、トルコ的な文化もよく見かけるのですが、
トルコのお守りのひとつの「目」と呼ばれるものを非常によくみかけます。
 
 
どんなところに飾ってあるかというと。。。
 
 
携帯電話につけたり、
ブレスレットとして使ったり、
結婚した夫婦の写真にかけたり
 
 
このように、いろんなところにつけてます。
あるとき、子どもの肩に縫いつけてあるのを見かけたのですが、
「ん?なるほど?Tesic Tasも、このトルコの"目"のような働きをしているのかな?」
と、思ったりしちゃったりしました。
 
 
実は先日、田舎に行った時、仲良くなった11歳の女の子が、このTesic Tasを糸に結びつけてストラップみたいにして私にプレゼントしてくれました。
 
 
「姉さんにあげるよ。これつけてると、かわいくなるよ!」
 
 
と、言ってくれたので、服のチャックのところに結びつけておきました。ところが、この糸が、ボール遊びをしている間に切れてしまい、石がどっかに落ちてしまいました。当然、石を探そうとしましたが、広い草原でばたばた走りまわっていたものですから、どこに落としたかも検討がつかず、割とすぐに探すのを諦めて、石をくれた彼女のところにいきました。
 
 
「ごめんね。石、落としちゃったんだけど、見つからないんだ。ごめん。」
 
 
と、いうと、彼女は少し黙って、また
 
 
「かわいくなるよ!」
 
 
と、一言いいました。でも、そのときの彼女の目が、なんだか、泣くのを必死に我慢しているようなそんな顔だったんです。
 
 
あ、自分ばかだ。って思いました。その人にとって、どういう石なのかもちゃんと考えず、草原だから見つかるわけないだろうって思ってすぐに諦めて、謝ればいいと思ってました。とても恥ずかしいことです。
 
 
結局、そのあと、再び石探しをしました。夕方になって暗くなってしまったので、次の日に、ということになったのですが、次の日の朝探しても結局見つかりませんでした。
 
 
うーーん。どうしよう。。。と思って下を向いてた時、その子がやってきて、「はい。」っと、私に別のTesic Tasをくれたのです!(あとで知りましたが、Erjan兄さんはどうもTesic Tasを拾ってたくさん集めているようです。)
 
 
うう、ありがとう。今度は落とさないように、大事にします。。。
 
 
と、いうわけで、お守りとしてわたしも毎日身につけています。
そんなTesic Tasのおはなしでした。