今回は、1件目のお宅ケンデバイさん家(ホストファザーのクグルシンさんの弟さんの家)で見たものを少しご紹介したいと思います。
ケンデバイさんのお宅にお邪魔したのは6月5日。ちょうど、夏営地(カザフ語でjairau)に移動する前の、ちょっとバタバタしてた頃のことでした。
ケンデバイさんのお宅にお邪魔したのは6月5日。ちょうど、夏営地(カザフ語でjairau)に移動する前の、ちょっとバタバタしてた頃のことでした。
前回もご紹介したとおり、ケンデバイ家があるアルタイ村の「ジャランガシ」というところは、近くに川あり、山あり、湖あり、野生動物も多く生息しているという自然豊かな場所です。
ケンデバイ家は、山の斜面をちょっと下った平らな場所に建てられています。3年前にここに冬の家を建てたとのことでした。
↓敷地の全体像
この辺には、狼も生息しているということで、家畜を放牧させるときは、ほぼつきっきりで様子を見に行きます。
家畜の放牧に行くのは、一家の大黒柱であるケンデバイさんのお仕事。ケンデバイさんは今年で51歳。足も腰も結構痛くなってきてて、毎晩放牧から戻るとぐったりしてるのですが、それでも毎日山へ放牧に出かけます。
↓こちらケンデバイさん
↓放牧に出かけるところ
私も何度か一緒に様子を見にいったのですが、足腰痛がってる51歳のケンデバイさんの方が山登るのはやくて、ちょっとショックでした。。。全然ぜぇーぜぇー言ってないし。
勿論、ずーっとつきっきりで動きっぱなしというわけではなく、時々石の上に座って休みつつ、家畜が十分草を食べられるように配慮しながらあちこちまわるわけです。
それにしても、夏は日差しが強くて暑いし、冬は凍るように寒いし。この土地の場合は、道は急斜面だしごつごつ岩石だらけだし。体に負担がかかるようなことばっかりです。「僕たち牧民の仕事っていうのは、家畜とは離れられないからねぇ。」と、ケンデバイさんはにこにこ笑いながら穏やかに話をしてくださいましたが、決して楽な仕事ではないのです。
さて、家に残っている女性たちはどんな仕事をしているのかというと?
まず、午前中は親家畜とわけて放牧に出す仔家畜たちの様子を見なくてはいけません。この仔家畜たちは、まだ遠くまで草を食べにいく体力がないので、家から近いところの草を食べにいきます。
↓仔家畜抱いてるところ
とってもかわいいんですよ!
そして、家事仕事。家の掃除は一日に何回もします。また、家だけでなく、小屋の掃除もします。小屋の中には、羊や山羊の糞や毛玉がごろごろしてて、一日でものすごく汚くなるのです。でも、この小屋掃除が結構大変。。。
↓掃除中
↓キレイキレイしたあと
腰を曲げて低い姿勢でがつがつ土を削らないといけないし、小屋が広いせいでなかなか終らないし、せっかく綺麗にしても奴らが帰ってきたらたった1時間後にはもう汚くなってるし。
それでも、ここのうちの子どもたち、(反抗期なので多少文句を言いながらも)毎日仕事きっちりやってます。ちなみに、この小屋掃除、他の家ではあまり行われてませんでした。「本来ちゃんと毎日やるべきなのよ。」とお母さん。このお母さんも働き者です。
他、川に水を汲みにいって、洗濯して料理して、燃料となる乾燥した牛の糞(カザフ語でテゼック)を拾いに行ったり。なんだかんだと一日中忙しいのです。
午後17:00頃になると、親家畜が放牧から帰ってくるので、また一仕事。そう、搾乳の時間です!母羊、母山羊を一頭ずつ捕まえて首にぐるぐる縄を巻きずらーーーーーーっと一列に並べます。こんな感じ。
いやぁ、暑苦しそうですねぇ。この子達から乳を頂くわけです。結構大変な作業なのです。(搾乳については、別途詳しく書きたいと思ってます。)
搾乳が終ったら、今度は仔家畜と親家畜とまぜて、もう一度放牧にだします。放牧から帰ってくる事にはすっかり夜になってます。こうして、今日も一日お疲れさま、っと夜ご飯を食べて、就寝します。疲れたぁ〜...おやすみなさい......zzz