今日は、インターネットカフェに来てるので、思い切ってもうひとつ記事更新!
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アルタイ村で迎える二日目の朝は、少しのんびりはじまった。とはいえ、一家を支える奥さんの朝は、はやい。7時ちょっと前、まだみんなが寝息をたてて寝ていたときに起き上がり、すぐに火をつける準備をはじめるマイグルさん。暫く外で作業をしていると、大きな洗面器に小麦粉を大量に入れて運んで来た。どうやらバオルサックを作るらしい。バオルサックとは、カザフ人が朝昼と茶を入れるときに一緒に食べる揚げパンみたいなものだ。(バオルサックの詳細は、こちらへ。)バオルサックを作るときは、小麦粉を寝かせる必要があるから、大抵朝から作る準備をはじまる。
8時をすぎた頃から、なんとなく、みんな目が覚めて来たようで、9時頃には朝の茶を入れて飲み始める。10時近くになって、ババイさんとタルガットが家畜を入れている小屋に向かう。朝、数頭のヤギの搾乳を行うため、搾乳するヤギの首を縄で繋げていたのだ。
↑手前、繋がれているヤギたちを搾乳する。
この時期はまだ搾乳はあまり本格的には行わない。この時期は、仔畜を育てることが優先される。さて、その仔畜は?というと、ん?姿がみえないけど、声が聞こえる。あれぇ?
あ!
奥の小屋に別に入れていたようだ。母畜と仔畜を一緒にしてしまうと、仔畜が母畜の乳を吸い尽くしてしまうため、人間が得られる乳がなくなってしまう。そのため、このように母子を分離させて管理するのだ。人間の搾乳が終ると、いろいろ母子対面のお時間。おお、母を呼ぶ仔畜の鳴き声と子を呼ぶ母畜の鳴き声が、大合唱を起こしている!扉をあけると、ものすごい勢いで仔畜が飛び出してくる!お母さん、どこ?!仔畜は母を探すのに必死だ。なかなか母を見つけられない仔畜には、人間がちょっとだけ、お手伝い。
↑母羊を探すタルガット
ちょこっとビデオもどうぞ。→http://youtu.be/dd3h6ffi1lk
朝の光景「仔畜飛び出す」
仔畜に乳を与え、お腹いっぱいにしたところで、時刻は11時を少しまわっていた。いよいよ母畜を放牧に出す。仔畜はまだ一緒に放牧についていけるほどの体力がないということもあり、お留守番。さあ、ここで母と子を分離させるのが、ひと苦労。扉に人間が立って構え、母畜と去勢家畜など放牧に連れて行く家畜だけを外に出し、仔畜をなんとか出さないようにブロックするのだ!仔畜のスピードが速いか、人間の瞬発力の方が勝るか!
数頭はうまく外に出てしまうものの、放牧に行く前に外で捕まえたりもする。それでもなんとか無事に母子をわけて、さぁ、出発!放牧には、タルガットが馬でついていく。他の家の家畜と混ぜないため、また、家畜にバランスよく草を食べさせるようルートや放牧時間などを調整するのだ。
家畜を放牧に出すと、女性には家の仕事が待っている。朝はやくマイグルさんが練っていた小麦粉をこれから細かく切り分けてバオルサックを作るという。この頃、ようやくアイジャンも起床。マイグルさんとアイジャンで、バオルサック作りをする。
↑これがバオルサック
バオルサックが作りおわってからも、石炭出しや家の掃除、水汲み、家畜の小屋の掃除や、仔畜への餌やり(草を与える)など、家に残った人間には仕事はたくさんある。この日は合間をぬって、髪を洗ったり洗濯をした。
そうこうしているうちに時刻はあっという間に15時を過ぎる。放牧にいったタルガットがお茶を飲みに戻ってくる。タルガットは、お茶を数杯飲むと、また忙しそうに外に出て行ってしまった。仔畜の餌やりを手伝いにいったのだ。この家は人が少なく、労働力が足りないため、家族みんなで協力して仕事を行う。タルガットは、16時すぎにはまた家畜のほうに戻ってしまった。
夕方18時頃、家畜が放牧から戻ってくる。家畜を小屋に入れると、再び仔畜とあわせて仔畜に乳を与え、再度分離させる。分離する作業、子羊はまだしも、子やぎが半端なく面倒くさい。
子ヤギのほうが子羊より好奇心旺盛で、身軽であるため、ぴょんぴょんぴょんぴょん、それはもううんざりするほど勝手にあちこち飛び跳ねるもんだから、捕まえるのにひと苦労.......。あんなに可愛いなぁって思ってた子やぎが、憎たらしくて仕方なくなる。捕まえて締めてやる!!!!!!!(怒)
↑憎たらしい子やぎ、そのいち
↑憎たらしい子やぎ、そのに
まるで、全力で鬼ごっこしてるみたい。小学生の頃だったら、毎日鬼ごっこしてたら、まだあんまり疲れなかったかもしれないけど、この歳(まだ25歳だけども)にこれだけ激しい追いかけっこを毎日するのはしんどかった......。牧民さんの体力、おそるべし。
こうして、家畜の世話を終えたのが20時をまわったころ。この後、21時頃から夜ご飯を食べ、さらにお茶をのんだ。ちなみに、この日の夜ご飯は、クジェ(麺入りのスープ)でした。(クジェの詳細は、こちらへ)
やっと寝床に入ったころ、時計は23時になっていた。一日中走り回ったり、力仕事して、すごい疲れた...............。日頃の筋肉トレーニングを怠ってはいけないなと思いながら、この日はいつの間にか深い眠りについてしまった。ぐう。
つづく