織り (2)
今日は小学校の頃からの友人と近所の公園でピクニックにいくことになっていました◎
お天気は、あいにくの曇り空、しかも小雨でしたが・・・
( ´ ` )
それでも今日しか予定空いてないし!と決行することに。
実は今日、ピクニックついでに彼女に手伝ってもらって、どうしても挑戦したい事があったのです。
それは・・・
「テェルメ」です‼
テェルメとは、カザフ語で織りのことです。現地にいた時は、牧民さんの家に行く度に練習してたのですが・・・こっちに帰ってからは全然やる暇がなく。ああ、せっかく習ったのに勿体ない!
そこで今日、せっかく時間と場所と人手があるのだから、整経(せいけい: 経糸を整える作業のこと)から現地でやっていたように外でやってみようと思ったのでした。テェルメの整経は一人じゃできないけど、二人ならできる!
実は、整経はいつも現地の方に手伝ってもらっていたので、一から全部一人でやったことがなかったのです。順番自体はわかるんだけど、さて、うまく出来るかな〜。
で、早速やってみる。
金槌で木の棒をとんとん地面に打ち付ける。
(↑お約束ですが、このあと木の棒ではなく自分の手を金槌で打ち付けました。えへ。)
三カ所に棒を打ち込んで三角形を作り、その打ち込んだ棒にひっかけながら経糸を整えていきます。
このような整経の仕方を、「輪状整経」と呼ぶそうです。
友人Mは糸をぐーるぐるぐーるぐる回す役♪
三角形の一辺の途中のところで、木の板と棒を地面に打ち込んでそこで綜コウ(コウは糸辺に光: そうこう:緯糸を通す為に経糸を上下に動かす器具のこと )を作ります。私はこちらを担当。
うーん、いい感じになってきた!
途中何をやっているんだ?と公園に来てた人達もこちらの様子を見に来てたり。遊牧民のところで習った織りを実践してます〜というと、「あら。面白そう。あとでまた見に来ますね〜^^」なんて言ってもらってますますやる気UP!!!
経糸を全部まわし、セッティングが無事に終了!あとは、ポール代わりに打ち込んだ木の棒から糸を外して織り機に移すだけ!よっしゃ〜、いい流れじゃ〜〜〜ん♪
と、思った次の瞬間。
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
凍り付くアタシ。
(あとでMにきいたところ、顔がおかしなことになっていたらしい。異世界動物的な。)
全て経糸を準備し終わったこの瞬間、ここでようやくやってはいけない大きなミスをやらかしていたことに気がついたのです。ご覧頂きたいのは下の写真。先ほどの写真と同じですが、友人の後ろの部分にご注目。
実は私、木の棒を3本打ち込む際に横着をしまして......
「お。こんなところに立派な杭がささっているではないか。公共物は有効に使わねば。」
と思って、木の棒を2本だけ打ち込み、残りの一本は公園の周りの杭を利用したのです。ところが、これ、上の部分に紐がついていて横の杭とばっちり繫がっていたのです。これ、どういうことになるかというと.......
ぬ、抜けない!!!!!汗
糸が上の紐にひっかかってしまって抜けない!やばい!!!!!!!
公共物を引っこ抜こうとも思いましたが、さすがに怒られるのは嫌だと思い、泣く泣く一本ずつ糸を切って結びなおす作業をすることに。あーーーー、なんて時間のムダ。。。
この作業中、先ほど見物に来てくださった方々が戻って来て、この残念さ加減に哀れみの言葉をかけていってくださいました。ちーん。アホすぎる。こんなはずでは.......。
とにかくひたすら結び変えたのですが、気がついたときには糸は収集がつかないほどぐちゃぐちゃな状態に。あれ、私几帳面なA型のはずでは?あれれ。
ここで気温が下がり、小雨がひどくなり、トイレにも行きたくなり.......。
というわけで、今回は織りに移る前に泣く泣く作業を断念することに。くやしいー。
しかし今回、よくわかったことがありました。あ、杭のミス以外でです。
★整経する際、三角形があまり小さくならないように、杭をさす位置をよく考える事。
あまり三角形が小さいと、今度織り機に移した時にうまくテンションがかからなくて失敗しそうでした。
実はこれ、現地で織りを教えてくれた人にも言われていた事でした。「あんまり小さく整経すると織れないのよ」と。あのときはよく意味がわかってなかったけど、自分で一からやってみて、やっと彼女が言ったことを理解する事ができました。
★整経のあと、綾をとるときの紐は、経糸に使った糸とは異なる素材にしたほうが、目立って便利。
まぁ、今回の失敗の決定打は杭でしたがね。
ああ、バカすぎる。外せばいいだけだったのに。
ああ、バカすぎる。外せばいいだけだったのに。
というわけで、反省点を考慮して、近々またチャレンジします!やるぞ〜!!!!
ちなみに、テェルメのセッティング方法を織り教室の皆さんにお見せしたところ、「整経と、綜コウと、綾を取るのを全部一度にやってしまうなんて、なんて合理的なのかしら〜!」と感想をいただきました。
ほうほう、そういうものなのか。
そういえば、先日刺繍を人にレクチャーしたときも「この刺繍、他の刺繍みたいにいちいち糸を切ったり繋げたりせずにひたすら縫い続けられて、すごく無駄がなくて合理的ね〜!」と言われたっけ。
時間に限りがある遊牧民たちがおこなう手仕事ですから、動きに無駄がないのかもしれないですね。
私も刺繍も織りもドンドン極められたらいいなぁ。練習あるのみ!
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織り
気がつけば8月ももう後半に入り、ケステブログもすっかり久しぶりの更新になってしましました。最終更新が約1ヶ月前。。。お休みしすぎました。この間、暫く田舎に行ったり、ウルギーを離れたりと、いろいろと変化があった今日この頃です。
さて、今回はカザフの織りの技術「テェルメ」について、書いてみたいと思います。
↓テェルメによって作られた紐
実は、このテェルメの作り方、何度か目にしているものの、なかなか理解できず。ですので、まだ説明が至らない部分も多いかと思うのですが、それに関しては今後も追記していきたいと思っています。
テェルメを作る為に絶対必要なものは、
毛糸とこちらの吊るしです。
あとは、
文様を描いていく為の手順を正確に思い浮かばせることができる頭脳。笑
以下では、2011年にマナイ家で撮影した写真を利用して説明したいと思います。
まず、三本の釘を地面に打ち付け、その釘に糸を順に巻き付けていきます。
このときは3色の糸を使いました。赤、ピンク、黄緑の糸です。
まず、赤い糸のみを、ぐるぐると巻き付けます。
この赤い糸は、テェルメの縁の部分になります。
その後、ピンクと黄緑の糸を、赤い糸同様にぐるぐると巻き付けていきます。
三カ所の釘のうち、一カ所だけは釘に木材を寄せておき、黄緑とピンクの糸をここでわけます。
糸を巻き付けていく途中で、木材に糸を別の糸でしっかりと固定していきます。
ここでは、白い糸を使用して固定していますね。
ピンクと黄緑の糸を巻き終わったら、最後にもう一度、赤い糸を巻き付けておきます。
そしてもう一本、木の棒に色の糸を巻き付けて固定し、
一カ所の釘と、木材を地面から引き抜いて、準備完成です。
引き抜いた木材には、予め糸と金属の棒がついていて、今度はこれを吊るして、こんな体制にします。
準備ができたら、いよいよ織り始めます。
ここまでで準備してきた糸は、「縦糸」となります。
まずは縦糸を、上下にわけ、模様を浮かび上がらせるために何らかの細い棒で縦糸の一部分をすくいとり、上下にしっかりとわけます。わけたら横糸をはさみ入れ、一段一段織っていきます。
この作業の繰り返しによって、織られていきます。
これは3色の糸で作られていきますが、糸の色がもっと多いとこんな感じ。。。
以下、2012年に撮影した写真を載せてみますと、
より太い、より鮮やかな紐がつくられていくわけです。
すっごい太い紐になると、こんな感じ。。。
幅33cm、長さ11m!!!!!!!!
ウイの上部をぐるっと1周して巻いちゃうくらいの長さです。
きれいだけど、これ作るのにどれくらい時間かかったんだろうと思うと、
すごいとしか言えない。。。
当たり前のように、大抵の家庭ではこれが手作りされ、使われています。
お店で買うわけではないのですよ。
ちなみに、テェルメ紐の裏面、横はこんな感じになってます。
<裏>
<横>
尚、テェルメの作り方につきましては、文章だとわかりにくい部分が多いかと思いましたので、動画をyou tubeにUPしてみました。詳しくご覧になりたい方は、下記URLに是非アクセスして見てみてください。動画は慣れて無く、あまりうまく撮れていないのですが。。。
<2011年9月撮影>
<2012年5月撮影>
<2012年5月撮影:ショート版>
ううーーーん、もっとじっくり作り方みて、自分でも作ってみたいなぁ、なんて、無謀にもちょっと思ったりして。かっこいいなぁ。
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