前回は”アクチー”と呼ばれる白い筵のことについてご紹介しましたが、今回は"オラガンチー"についてご紹介したいと思います。
おさらいですが、"オラガンチー"とは、葦一本一本に色のついた毛糸を巻いて文様を浮かび上がらせた筵のことを指します。「オラ ora-」とは、カザフ語の「巻く、巻き付ける」という意味の動詞であり、「チー」は葦のことを指します。
さて、このオラガンチーの作成の様子、一体どこでみたのかというと、
マナイさん(私が泊まっていたところ)
のお隣の若旦那(マナイさんと共同で家畜を管理している/奥さんがアクチーを作っていた)
の親戚のうちです。笑
近くに住んでたので、試しに遊びにいったら、
あれま、オラガンチー作ってるじゃありませんか!
なんだかとっても優しそうなおばあさんが住んでいました。
同じ”チー”と呼ばれるものでも、アクチーとオラガンチーは、全然違います。今回は、作成途中の様子を拝見させていただきました。なので、見たものを簡単にご説明したいと思います。
先にも書きましたが、オラガンチーは葦一本一本に色のついた毛糸を巻いて文様を描いていきます。その為、オラガンチーを作るためには、文様の下絵が必要です。
まずは、床の上に、文様の下絵を描いた布を敷きます。
予め、どこの部分はどの色の糸を巻くか決めておきながら、下絵の上に一本葦を置き、どこからどこまでが何色なのか、マーカーで印をつけます。
マーキングが終った葦に、丁寧に、隙間無く、くるくると糸を巻き付けていきます。
あとは、置いていった葦たちを、毛糸で結びながら固定していきます。(アクチーの時は、石を交差させながら毛糸を編んでいきましたが、オラガンチーの場合は、床において編んでいくので方法が異なるのです。)また、葦が模様の位置からずれないように、上に重いモノを置くなどして固定します。
さて、そのようにして編んでいったものがどんな風になるかというと?
ばーーーーーーーん!
なんじゃこりゃ!
すーーーーぱーーーーーかっこいいいいいいいいい!!!!
そしてこれをどんな風に使うかというと.....。
こんな風に、置かれるのですねー。
ウイの壁となる木製格子と、フェルトなどの外壁の部分の間に挟みます。
(当HP内の”カザフの装飾文化”にも説明がございます。あわせてご覧下さい。)
しかし、この作業、本当に気が遠くなるような作業です。一本にくるくる巻き付けていく作業だって、手も目も疲れるし。。。
夏のウイを美しく飾るオラガンチー。
オラガンチーが、ウイで見れる季節が待ち遠しいです^^