聞いた話によると、東京はまだまだ暑さが厳しいとかなんとか。暦の上ではすっかり秋になったのに。。。あまり秋らしくない感じなのでしょうか?
こちらウルギーは、9月には涼しくなりちらちらと雪も降り始め、最近ではすっかり寒くなってきました。昨日はTVでも(カザフスタン放送)「そろそろ屠殺シーズン(冬の準備期間)到来ですね!」なんて報道されるほど。
日中日差しは温かいのですが、風が吹くとぐっと身にしみる寒さを感じます。先日のイヌワシ祭りのように、長い時間外にいると、あとにぞくぞく残るような寒さです。まさに、冬の一歩手前という感じで、朝晩は、すっかり息が白くなっています。寒くなってくると、自分に甘い私は、朝寝袋から出て起きるのがつらくなってきます。。。ぐう。笑
そんな秋冬シーズンの朝、起きて最初にする仕事と言えば、やはり火をつける事でしょう。
田舎の家庭でも町の家庭でも必ず見られるのが、これ。炉です。カザフ語でペシpeshiと呼んでいます。
とても便利な構造になっていて、上についている蓋は開けられるようになっており、大きさも3通りに調節できるようになっています。
鍋がすっぽりはまるように、丸くなっています。コンロのように、火の勢いを簡単に調節できるわけではないので、この開ける蓋を変える事によって温度調節をします。
グツグツコトコトとものを暖めるときは、蓋を完全に閉め、その上に鍋をのせます。やかんも沢山のせる事ができるし、乗せる場所によって温度を調節できるという。まぁ、本当に便利なんです。
さて、これ、一体何を入れて燃やしているかというと
石炭と乾燥した牛の糞です。
ある日、家に突然トラックがやってきて、大量の石炭と乾燥した牛の糞を運んできたときには、本当にびっくりしました。汗
↑倉庫の中にだいぶ押し込んだあとに撮った写真。最初もっとすごい量だった。。。
田舎では、厳冬期以外の時期にこつこつと毎日この乾燥した牛の糞を拾い集めて冬に備えます。ひとつひとつの乾燥糞はそんなに重くないのですが、ずた袋いっぱいにそれを積めると、非常に重たい。腰にぐっとくる重さです。それを抱えつつ、乾燥糞を拾う為にあちこち回ります。
この燃料の使い方としては、炉の口の方に乾燥した牛の糞を寄せて、そのうしろに石炭をのせます。
乾燥した牛の糞はよく燃え、また、熱が残るのか火が消えかかったときでもその燃えカスの上にさらに乾燥した牛の糞をのせ足すとすぐに火がつきます。とても便利です。
さて、こうして炉に火をつけると、暖まるのは炉の周りだけかというと、そんなことはないのです。ウルギー市の私がホームステイしている家の仕組みはこんな感じになっています。つまり。。。
↑炉の先っぽに管がついていて暖かい空気が上にのぼる
(さらに上には水をいれるタンクがある)
↑暖まった温水が部屋のあちこちに設置されている管を伝ってまわり、結果全室が暖まる。
おかげで、炉に火をつければ一気にぬくぬく出来るという寸法です!すばらしい!
勿論、火をつければ灰が出ます。ペシの下に溜まった灰は、こまめに掃除します。これがまた、ものすごく重い。。。。灰は、外に一カ所にまとめて置いて処分します。
こうして、一仕事終えてから、暖かいお茶を頂くのです。このお茶が、美味しいんだな。町はまだしも、田舎に行くと本当に寒くて寒くて、朝寒い中一番に起きて火をつけてくれるお母さんに心から感謝せずにはいられません。ありがとうございます。。。そして、火がついてから起きてごめんなさい。。。ううう。
モンゴルにいて、自分で火がつけられないっていうのは、本当に致命的なことです。日常生活でいえば、洗濯するときの水だって、髪の毛洗うときの水だって、自分で火をつけて暖めて使わないといけないし。厳冬期にはマイナス40℃以下にもなるこの環境下の中で、すぐに火をつけられなければ命に関わる事だってあります。
とか言って、自分はモンゴルに住んでるくせに、全然ぱぱっと火付けできないんですけど。。。同じ部屋に住んでるジャナル(19歳)にいつから火がつけられるようになったか聞いたら、「4歳だよ、4歳!」だって。うーん、すーぱー4歳児だな、日本に居たら。
うん、でも、修行しよう。。。せっかくウルギーにいるんだから。。。
朝のお仕事、これからがんばってみようと思います。
朝のお仕事、これからがんばってみようと思います。