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月, 09 7月 2012 06:21

カザフの乳製品--その2--

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乳製品紹介のつづきです。
 
 
前回は、搾乳した乳を加熱して、どのように利用しているのか、ということに触れましたが、今回紹介する乳製品たちも、まずは乳を加熱することから始まります。


⑤エルケット(irket)
前回④で紹介したアクエレムチックは、鍋の表面上に浮いた固形物を取って作られますが、アクエレムチックを作る際に使われずに残った水分は、捨てられることなく、別のものに利用されます。何物も余す事無く利用されるのですね。その水分は、サルスオ(sari suu)と呼ばれます。サルスオとは、直訳すると黄色い水を意味するのですが、なるほど、たしかに、水の色が黄色い。。。
 

↓鍋の中に入っている水。これがサルスオ。
 
 
 
この黄色い水を、サバと呼ばれる大きな大きな袋の中に入れます。


↓これです。

 
 
 
サバの中に、サルスオ、アイラン、沸騰させた乳を加え、しっかりと口を紐で縛り固定します。
あとは、サバの中を木の棒でがっしがっしかき回します。このかき回す作業、10分や20分なんてもんじゃないのです。サバの大きさにも寄りますが、1時間、いや、2時間は軽くかき混ぜ続けます。最初のうちはいいんですけど、だんだんと腕も手も疲れ果て、手のひらは豆だらけに。。。痛かったぁ。。。
 
 
↓サバをかき回す子ども達。
 
 
  
2時間もかきまぜていると、当然中身にも変化が起こってきます。表面上に、脂肪分が浮かび上がってきます。中の温度も、暑くも冷たくもなく適温になった頃を見計らって、サバの中身を全て出します。2時間がっちりかき混ぜられたこの液体、これが、エルケットです。
 
 
↓サバから取り出した後。表面に浮かび上がっている脂肪分。
 
 
↓脂肪分を取ると、下にはさらっとした液体"エルケット"が。
 
 
 
エルケットは、非常にさらさらした白い液体です。味はたいていとても酸味が強くすっぱいのですが、中には酸味がほどよい非常に飲みやすいものもあります。混ぜ具合次第ってとこですかね。
 
 
 
 
 
⑥サルマイ(sari mai)
⑤のエルケットをサバから出すときに表面上に浮いていた脂肪分は、すくわれて別に静置されます。しばらく置いたのち、水気をきりつつ適度にもみます。このとき、適量の塩を加えます。しばらく静置しサルマイ完成です。
 
 
 ↓塩をふってるところ。
 
 
 
 
サルマイとは、カザフ語で黄色い油を意味しますが、バターより塩気が強く、パンと一緒にぱくぱく食べられます。とっても美味しいです!!!! また、前回②で紹介したカイマック同様、お茶の中に入れて飲まれたりします。
 

黄色い油と呼ばれますが、羊や山羊の乳で作った場合、黄色くなることはなく、むしろ白い色をした半固体になります。
 
 
 
⑦コルト(kurt)
⑤で紹介したエルケットは、さらに加熱されます。長い時間加熱し続けると、さらさらとした液体だったものが、だんだんとどろどろとした液体になってきます。これが、コルトです。
 
 
↓液体コルト。

 
 

コルトは、このままでも食されますが、アクエレムチックのように、水分を完全にきり、さらに外干しして完全に固体になるまで乾燥させたりもします。
 

↓鍋の中の液体コルトを袋にうつし、水気を切る作業中。このあと外干し作業にうつる。



こちらも、ものによりますが、ほどよい酸味があって、美味しいです。かちかちに固くなったコルトよりも、作り立ての少し柔らかいコルトが食べやすくてお勧めです。
 
 
と、ここまでいろいろばーーーーーーっと、紹介しましたが、まだ他にもあるのです......。乳製品、きちんとみると、本当に奥が深いです。
 
 
乳製品については、また改めて作り方を観察してきてから、その3を書きたいなと思っています。
夏、秋にバヤンウルギーを訪れる方、是非いろんな乳製品を食べてみて下さいね。

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